お菓子な関係 【1】




今からずっと昔
母の田舎で遭遇した「天狗」という不可思議な連中から
一人の女の子を無理矢理 押しつけられて…
一緒に暮らす事になって、何時しか かけがえの無い家族になって





あの騒動から長い時間が過ぎ
数珠玉も時間と供に一つずつ色が変わっていった、が
最後の一つだけはどういう訳か変わる事無く。

自制心も精神獣のコントロールも問題はないと判断した
天狗のじいさんは数珠を外してはくれたものの
蝶子との一蓮托生な関係は継続したまま今に至っている




そんな夏の或る日

子毬山の山道を歩く二人の男女、京太と蝶子
途中木陰で休んでいると上空から人影が舞い降りてくる
天狗の飛鳥と羽鳥

「お二人さん久しぶり♪…相変わらず仲が良ろしいようで」

その言葉に照れながら笑顔になる蝶子。
そして反比例的に不機嫌な顔で京太を睨みつける飛鳥
思わず目を逸らす京太。
気を取りなおして笑顔で蝶子に向かう飛鳥
手荷物を見てある事に気がつく

「今日はそうか、…墓参り、か。」
頷く蝶子。








蝶子の両親の墓参り
墓といっても共同墓地に近い粗末な物だったのが
天狗に対する寄付だか供え物だかで
最近新しく建立される。

手入れは普段から飛鳥羽鳥がしているようで
掃除の手間は無く二人手を合わせる
そうして考えこむ蝶子

「…京太は先にいってて、私はもう少しここにいるから」
「分かった、寺で待ってるからな…」

その場を後にする京太。
振りかえると何かを語りかけてる蝶子の姿。
寺のお堂、蝉の声が鳴り響くなか
京太と羽鳥そして、じいさんの三人。


「…前からききたかったんだけど蝶子の両親って、どういう人達だったんだ?」










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